オーガニック食品。海外のショップでよく見かける理由は??

個人輸入に関するアレコレ

 個人輸入をしていて。海外のサイトを見ていると,いろんな表記を見かけますよね。Organic,Non-GMO,Vegan,Sugar-free,Soy-freeなどなど。

 個人的に,昔から気になっていたのが「Organic」。日本語で言ったら有機農産物,もしくは有機農産物を使った製品っていったところでしょうか。環境問題とかから農薬利用が問題視されるようになったっていうのは知ってたんですけど・・・。環境問題から??健康面から?? 「Organic」は何を求められているのか??出来る範囲でですけど,調べてみました!

オーガニックの歴史

 ネットで調べるといろんな情報が溢れてますけど,オーガニックが意識されていくきっかけとなった出来事として一番有名なのが,レイチェル・カーソンのSilent Spring(沈黙の春)の出版(1962年)。私も読んだことがありますけど,農薬が環境に及ぼす影響について訴えた本ですよね。現在の科学的な見地から見たら,本の内容すべてが真実とは言えないのかもしれませんけど。でも,この本が,「農薬」というものの悪影響が意識されるようになるキッカケの1つとなったことは間違いないでしょう。

外国では,有機食品がどれくらい消費されているの??

 明治大学のホームページに「各国食品売上に占める,有機食品の割合」が掲載されていました。これによると,ドイツ(2009)3.40%,フランス(2009)1.90%,イギリス(2007)2.7%,アメリカ(2008)3.5%,日本(2009年)0.32%。ちょっと古いデータではありますけど,食品売上に占める割合なので,為替とかは関係なく,有機食品の消費割合を見ることが出来ると思います。ドイツ,フランス,イギリス,アメリカともに,日本よりもずっと有機食品の消費率が高い!特に,アメリカやドイツは日本と1桁違いますもんね。たとえば,月の食費が3万円として。有機食品を購入した分は,ドイツだと1,020円,アメリカは1,050円,日本は96円ってことになりますね。

 ちなみに。じゃあ,各国で有機農産物の売上高がどれくらいあるのかな??っていうのを見てみると,2010年のデータで,アメリカが2兆6200億円,ドイツが7800億円,日本が1,300億円。人口の違いがあるとはいえ,アメリカは兆ですよ,兆!!

何故,海外では有機食品が購入されているのか??

 歴史を考えたら,みんな「環境問題」を配慮して有機食品を購入しているのかな??って思いますよね。アンケート結果によると,「有機食品の環境保全性を評価して購入する消費者の割合」は,EU(2004)で43%なんだそうです。 多少割高なんでしょうけど,「環境のために」有機食品を購入されているんですね。

 一方,同様のアンケート結果で,アメリカ(2010年)は24%日本(2012年)は27.5%。EUと比べるとグッと割合が下がりますね。そして,「環境」の次に回答割合が高いのは「健康のため」ということなので。EUと比べると,アメリカや日本の消費者は,自分や家族の健康のために有機食品を購入する割合が高いのかもしれません

ヨーロッパの消費者がオーガニックを購入する理由は「環境」??

  「環境保全のために有機食品を購入する」ってことは,その農産物が生産されている畑や果樹園で生きている鳥や,虫や,地下水や,働く人々のために割高なこともある商品を購入するってことですよね。利他的な部分も含む行動。(立教大学ホームページによると,たとえばドイツでは,有機食品とそうでない食品の価格差はモノによって結構差がみたいです。2007年の数字ですけど,フルーツヨーグルトは普通の商品よりも30%高く,スパゲティは普通の商品よりも20%安いっていう結果が出てるみたいです。)「環境のために」行動できるっていうのは,やっぱり教育の賜物なんでしょうか??

日本やアメリカの消費者がオーガニックに求めるのは「健康」??

 ↑上に書いたように,アメリカや日本の消費者は,オーガニックに「健康への影響」を求める傾向が比較的強いのかもしれません。じゃあ,オーガニックは体に良いの??オーガニックじゃなくっちゃ体に悪いの??っていうと・・・。これはもう,日本人でも皆さんいろんな考え方があると思うんです。日本の農薬の基準は厳しいんだから,流通している食品は安全!って思う方もいるでしょうし。完全無農薬の食品しか口にしたくない!っていう方もいるかもしれないし。

 ただ。これは何のソースも出せないんですけど,以前アメリカの小売業に携わっている方からお話を聞いたことがあるんです。「アメリカは,国外からも色々な食品を輸入している。どんな農薬が使われているのか,どんな環境で育てられたのか分からないっていう猜疑心があるから,有機認証等の認証を取れている食品を選ぶ傾向があるのかもしれない」と。この説明には,なるほど!!と思った記憶があります。もしかしたら,安全性に配慮した厳格な農薬の使用基準が守られているならオーガニックでなくても良いっていう人も多いのかもしれないけど,わけのわからない輸入農産物等だと「認証」に頼るしかない・・・って思われてるのかもしれませんね。

なぜ,日本では有機食品の購入割合が少ないのか??

 同じく立教大学のホームページに興味深い意見が掲載されていました。曰く,「日本では,直売コーナー等で鮮度の良い美味しそうな野菜が揃っている。有機認証をとっている野菜は値段が高く,かつ鮮度は比較的低い。そうすると,消費者は鮮度を優先するのではないか??」って。(有機認証をとっている野菜の鮮度が高いのか低いのかはお店によるんでしょうけど。)

 確かに,「新鮮」で「美味しそう」で「安い」っていう野菜が,お買い物する上で優先順位高くなるのは分かる気がします。私もそうですけど,日本の農薬の基準は厳しいものだと思っているし,日本の基準で生産されたものなら大丈夫,っていう安心感を持っている方が多いかも。「環境」のために割高な商品を買おう,って思うほどには,日本の農薬基準が危険なものとは考えられない・・・っていう感覚もあるような気がします。そういう意味では,きっと日本の消費者は恵まれてるんですよね。

輸入品こそオーガニック??

 私は農薬が全部危険だとは思いません。無秩序に使ってしまったら環境にも人体にも危険なのは当然ですけど。かといって,農薬の使用を「ゼロ」にすることが本当に必要なのかどうか,個人的には疑問に感じます。

 だって,たとえば,公園では毛虫等の害虫を避けるために殺虫剤が撒かれているし,駐車場では雑草が生えないように除草剤が撒かれていますよね??「環境のため」にと言うならば,公園にだって駐車場だって環境です。虫にも,鳥にも,地下水にも,影響は出るでしょう??自分たちの口に入るものを作る環境には無農薬を求めて,それ以外には目を瞑っるっていうんじゃエゴが過ぎるんじゃないかなぁ~~っていう気がするんです。農耕地でも非農耕地でも,それぞれに決まった基準の範囲内で使用される農薬ならば,それを問題と言い切ることはでいないんじゃないでしょうか??

 ですが。日本で許可されている農薬だからこそ,農薬を使用していたとしても「安心だ」と感じられるのかもしれません。同じ安心感を,海外すべての国に対して感じられるか・・・って言われたら,それはちょっと難しい。

 コーヒー,チョコレート,綿花などなど,どうしても輸入させて欲しいモノってありますけど,どのような場所で生産されているのか目の届かない海外のことだからこそ,オーガニックのような基準が求められるのかな~~~と思いました。

 環境にダメージを与えて,作業している方に健康被害を生じさせるような栽培のされ方をした農産物を,知らんぷりして輸入なんてことはしちゃいけませんものね。

コメント